台湾華語を学ぶとき、発音で苦戦するポイントのひとつが「摩擦音グループ」。
摩擦音とは、息をすべらせて音を出す発音方法で、日本語にない感覚を要するものも多くあります。
今回扱うのは次の4つの注音符号です:
- ㄈ(f)
- ㄒ(x)
- ㄕ(sh)
- ㄙ(s)
それぞれ似たような音に聞こえますが、口の形・舌の位置・息の出し方で大きな違いがあります。
この記事では、それぞれの特徴と練習のコツ、混同しやすい音の対策を紹介していきます。
目次
摩擦音ってなに?

摩擦音とは、口の中の一部を狭めて息の流れに“摩擦”を起こして音を出すタイプの子音です。
日本語で言えば「さ・し・す」や「ふ」などに近いですが、台湾華語の摩擦音はさらに舌の使い方や口の開き方にバリエーションがあります。
注音とその特徴

それぞれの特徴をまとめます。
注音 | 発音(ピンイン) | 発音(注音) | 口の形・コツ | 例 |
---|---|---|---|---|
ㄈ | f | ㄈ | 上の歯を下唇に軽く当てる(日本語の「ふ」とは異なる) | 飛(ㄈㄟ fēi)=飛ぶ |
ㄒ | x | ㄒ | 舌先を下げて、口の中で「シュッ」と息を通す音 | 喜(ㄒーˇ xǐ)=うれしい |
ㄕ | sh | ㄕ | 舌をやや巻き上げ、上あごに近づけて摩擦音を出す | 試(ㄕˋ shì)=試す |
ㄙ | s | ㄙ | 舌先を歯に近づけ、息をすばやく出す | 三(ㄙㄢ sān)=3 |
よくある混乱ポイントと対策

❌ よくある間違い
- ㄒ(x)とㄕ(sh)を混同(「し」に近い音で混乱)
- ㄈ(f)を日本語の「ふ」で発音してしまう
- ㄙ(s)の発音が舌足らずになり「th」のように聞こえてしまう
✅ 対策ポイント
- 音だけでなく口の形と舌の位置を意識
- スマホのカメラや鏡を使って、口の動きを確認
- 録音・音声アプリで聞き比べると効果的
例語リスト(ボポモフォ+ピンイン付き)

それぞれの注音符号を使った例の漢字を用意しました。
具体的な漢字があるとイメージがつきやすくなるかと思います。
注音 | 例漢字 | 発音(ピンイン) | 発音(注音) | 意味 |
---|---|---|---|---|
ㄈ | 飛 | fēi | ㄈㄟ | 飛ぶ |
ㄒ | 喜 | xǐ | ㄒㄧˇ | うれしい |
ㄕ | 試 | shì | ㄕˋ | 試す |
ㄙ | 三 | sān | ㄙㄢ | 数字の「3」 |
覚え方のヒント

- ㄈ → 「ファ」=唇でこすれるように発音(英語のFと近い)
- ㄒ → 「シーッ」=静かにする時の音と似ているが、舌の位置が深い
- ㄕ → 「シュ」ではなく、舌を軽く巻く「しゅー」音
- ㄙ → 「スー」ではなく、空気が歯の間を通るように
「音+感覚+口の動き」の3つをセットで覚えるのがポイント!
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まとめ

摩擦音は息の通し方が命です。
「舌先をどこに置くか」「どれだけ息を出すか」だけでも音が大きく変わります。
✅ まずは鏡を見ながら口の形を確認
✅ 発音アプリや音声を聞き比べてみる
✅ 少しずつ単語に応用していく
こうした積み重ねが、自然に「正しい発音の感覚」を育ててくれます。
焦らず、一歩ずつ自分の音をつくっていきましょう!