台湾ブームが続く今、「台湾華語を学びたいけれど、英語教材と日本語教材のどちらを選べば効率的なのか」と迷う人が増えています。
実は、台湾華語は SVO 語順・繁体字・四声 という独自の特徴を持つため、学習を“どの言語で説明されるか” が理解スピードと定着率を大きく左右します。
本記事では両教材のメリット・デメリットを体系的に比較します。
学習目的やレベル別に最適ルートを提案し、最後に僕が英語教材を選んだ理由と具体的な学習法もシェアします。
記事を読み終えるころには、あなた自身にとってベストな“説明言語”がクリアになり、すぐに使える無料リソースまで手に入るはずです。
なぜ「説明言語」選びが学習効率を左右するのか

台湾華語には 語順・文字・発音 の3つで、日本語とも英語とも一致しない独特のクセがあります。
- 語順 は英語型の SVO(主語-動詞-目的語)なので、説明を英語で聞くと「語順イメージ」がそのまま重なりやすい。
- 文字 は意味を担う 繁体字。日本語の漢字経験があると形や意味を推測しやすく、日本語解説があると定着が早い。
- 発音 は4声+軽声があり、ローマ字の 拼音 か台湾独自の 注音符号 で表記される。アルファベットに慣れていれば拼音説明が直感的に理解しやすく、注音符号は日本語教材で細かい口形を学べる。
つまり 「どの言語でこの3ポイントを説明されるか」 が、
- 頭に浮かぶ語順イメージ
- 文字と意味の結び付き
- 声調を再現する耳と口の感覚
――の習得速度に直結します。英語と日本語、どちらを“学習の橋渡し役”に選ぶかで、最初のつまずき方もその後の伸び方も変わるのです。

台湾華語の特徴ざっくり整理(SVO語順・繁体字・声調 など)
観点 | 具体的なポイント | 学習で意識したいコツ |
---|---|---|
文法 | 基本 SVO。トピックを文頭に置く柔軟性もあり、語順を入れ替えると意味が変わる。 | 日本語話者は「主語→動詞→目的語」の並び替え練習をルーティン化。 |
文字 | 繁体字。部首と意味の手がかりが豊富だが、同形異義・筆順の差に注意。 | 書いて覚えるより「読んで意味を推測→書いて確認」の順で効率アップ。 |
発音 | 四声+軽声。子音は破擦音が多く、母音も英語より細かい。 | 拼音表を毎日声に出す+母音口形を鏡でチェック。注音符号カードで声調を視覚化。 |
英語で学ぶメリットと注意点

次に英語で学ぶ際のメリットと注意点をまとめます。
英語と台湾華語の語順が近い
- SVO がそのまま写しやすいので、構文変換のコストが低い。
- 時制や冠詞が不要な点で「英語の簡略版」と感じる学習者も。
無料&豊富な英語教材(YouTube Mandarin With Miss Lin など)
- YouTube:Mandarin With Miss Lin(登録者 50万超)や Grace Mandarin Chinese、Talk Taiwanese Mandarin With Abby など実践的チャンネルが充実
- オンラインコース:Coursera の “Mandarin Chinese for Beginners” などがある
- Anki デッキ/ポッドキャスト も英語圏ユーザー向けが多数
英語力も同時強化できる副次効果
- 学習中に英語のリーディング・リスニングを並行強化。
- 将来の海外キャリアや留学で汎用性が高い。
デメリット—母音・子音干渉や文化ギャップ
- /θ ð/ など英語特有の音が干渉し、ㄘ c, ㄙ s などの摩擦音が曖昧になる傾向。
- 例文が欧米文化基準で、台湾の生活シーンがイメージしづらい。
日本語で学ぶメリットと注意点

次に日本語で学ぶ際のメリットと注意点を見てみましょう。
漢字知識で語彙が推測しやすい
- 便利商店(コンビニ)など、漢字を見て意味を即推測できる。
- 日本語での語源解説があるため、イメージ形成が楽。
注音符号併記など日本人向けサポート教材
- 日本語解説付きアプリや YouTube SHO_CHANNEL でボポモフォ+カタカナ発音を学べる。
- 漢字+注音+ピンインを並記した参考書が多く、視覚的に理解しやすい。
デメリット—語順変換の負荷・リソース量の少なさ
- SOV→SVO の頭の切り替えが毎回必要。
- 英語圏に比べると YouTube/MOOC の数が少なく、深掘り教材は有料が中心。
英語 vs 日本語 9つの比較チェックリスト

以下の観点ごとに ◎強み / ▲弱み を確認し、自分に合う学習ルートを選びましょう。
- 文法・語順
- ◎英語:SVO 同型
- ▲日本語:語順変換が必要
- 文字・表記
- ◎日本語:漢字リテラシーで意味推測
- ▲英語:繁体字をゼロから習得
- 発音ガイド
- ◎英語:アルファベットで拼音を直読可
- ▲日本語:カタカナ転写だけだと声調が曖昧
- 教材量
- ◎英語:YouTube・MOOC が豊富
- ▲日本語:質は高いが量が限られる
- 語彙親和性
- ◎英語:披薩 pīsà など英語由来音訳語が多数 (Wikipedia)
- ◎日本語:和製漢語ベースの単語が直感的
- 文化背景
- ◎日本語:日台共通の生活シーン例文が豊富
- ▲英語:欧米文化例が中心
- 副次効果
- ◎英語:英語力向上=キャリアアップ
- ◎日本語:母語で理解を深め集中可
- コスト
- ◎英語:無料 or 低価格の教材が豊富
- ▲日本語:書籍・通学講座中心でコスト高くなる可能性あり
目的別おすすめルート

英語中級以上 × 海外キャリア志向
- 英語教材で台湾華語+英語をダブル強化
- 英語ネイティブ講師の 1-on-1 レッスンで即実践
漢字文化圏を活かしたい × 旅行重視
- 日本語解説教材+現地での対面実践
- 注音符号を早期に覚え、屋台や駅名を読む楽しさを体感
二刀流(英語+日本語)で相乗効果を狙うケース
- インプット:日本語参考書で基礎固め
- アウトプット:英語 YouTube/ポッドキャストでリスニング・スピーキング強化
僕が英語教材で学んでいる理由と実例

次に僕が英語教材で学んでいる理由と実例について紹介していきます。
英語教材を選んだ理由
- 英語は仕事で使っており日常会話程度であれば問題なくでき、台湾華語を学びながら英語にも触れられるので一石二鳥。
- 教材が豊富。特にYouTubeでは英語にすると選択肢がかなり増える。自分に合うチャネルが英語だったことも大きな理由。
- 文法が近いので、英語をすでに理解している身としてはこちらの方がすんなり理解できる。
- 漢字については台湾華語で見れば日本語を介さずともイメージはつくので特に日本語でやるデメリットにはなっていない。
活用している教材
前提として、僕はKazu Languageさんの語学学習方法をとても参考にしています。
まずはとにかくフレーズを学んでそこから徐々に文法や単語を学んでいくスタイルです。
もし興味あればこちらの記事でも解説しているのでご覧ください。

フレーズの学習ではYouTubeをメインに利用しています。
最近特によくみているチャネルが以下の3つです。
いずれも台湾の方がネイティブの台湾華語を話してくれており、一部の動画は注音符号もつけてくれているので助かっています。
Mandarin With Miss Lin
Grace Mandarin Chinese
Easy Mandarin
まとめ — 自分に合う学習言語を選ぼう

- 英語で学ぶのが向く人
- 英語の動画やポッドキャストを日常的に聞ける
- 台湾華語と同時に英語力も底上げしたい
- 無料オンライン教材をフル活用したい/海外キャリアを視野に入れている
- 日本語で学ぶのが向く人
- 文法を母語で細かく理解してからアウトプットしたい
- 漢字の意味推測を武器に、旅行や日台交流をすぐ楽しみたい
- 英語を介さず集中して台湾華語だけを伸ばしたい
- 二刀流(英語+日本語)が効く人
- インプットは日本語解説で基礎を固め、アウトプットは英語教材で量を稼ぎたい
- 挫折防止に多彩なリソースを使い分けたい
あなたの学習目的に最適な“説明言語”を選び、台湾華語ライフをスタートさせましょう!