台湾華語を学び始めた多くの人が最初にぶつかる壁、それが「恥ずかしさ」です。
「発音が合っているか不安」
「間違ったら笑われるかも」
「相手に通じなかったらどうしよう」
こうした感情は、特に声に出して練習する場面で強く現れます。
ですが、この羞恥心を乗り越えない限り、上達のスピードは止まってしまいます。
この記事では、僕自身の体験を交えながら、初心者が声に出す勇気を持つコツをまとめます。
なぜ語学学習は「恥ずかしい」のか?

語学を声に出すとき、多くの人が「恥ずかしい」と感じます。その理由は大きく分けて3つです。
日本語にはない発音(四声など)に対する抵抗感
完璧に言わなければならない、という思い込み
相手の返答を理解できないかもしれない不安
台湾華語は特に四声があるため、声の高低を意識する必要があります。
普段日本語では使わない音の出し方をするので、どうしても口に出すこと自体に抵抗が生まれます。
でも本来、語学の本質は「正確さ」より「伝える勇気」。
ここを意識できるかどうかで、学習の伸びは大きく変わってきます。
僕の体験談:妻との練習 vs 外で話す緊張感

僕の場合、妻が台湾人なので、家で台湾華語を話す環境には恵まれています。
身内なので失敗しても笑い合えるし、間違いを恐れる必要もありません。
しかし、外で知らない人に声をかけるとなると緊張感は一気に高まります。
例えば夜市で食べ物を注文するとき。
「這個,一個。」(ㄓㄜˋ ㄍㄜ˙ ,ーˊ ㄍㄜˋ / Zhè ge, yí gè / これをひとつください)
たった一言でも、実際に通じると大きな達成感があります。
道を尋ねるときも同じです。
「請問,捷運站在哪裡?」(ㄑーㄥˇ ㄨㄣˋ ,ㄐーㄝˊ ㄩㄣˋ ㄓㄢˋ ㄗㄞˋ ㄋㄚˇ ㄌーˇ / Qǐngwèn, jiéyùn zhàn zài nǎlǐ? / すみません、MRTの駅はどこですか?)
こうした短いやり取りでも「通じた!」という成功体験は強烈に印象に残り、次の挑戦への勇気をくれます。
小さな勇気が大きな成長につながる

語学学習において大切なのは、小さな成功体験の積み重ねです。
「挨拶が返ってきた」
「注文が通じた」
「道を教えてもらえた」
一見ささいに思えることも、積み重なることで自信につながり、学習スピードを一気に加速させます。
完璧に言おうとするのではなく、まずは「声に出すこと」に慣れることが重要です。
恥ずかしさを減らす具体的な方法

① 独り言練習
部屋でひとりごとを言うだけでも効果的です。
「今天我要去公司。」(ㄐーㄣ ㄊーㄢ ㄨㄛˇ ーㄠˋ ㄑㄩˋ ㄍㄨㄥ ㄙ / Jīntiān wǒ yào qù gōngsī / 今日は会社に行きます)
録音して聞き直すと、自分の発音を客観的に確認できます。
② AIの活用
ChatGPTなどを会話相手にすれば、心理的なプレッシャーなく練習できます。
音声会話モードを使えば、実際に人と話す感覚に近いトレーニングが可能です。
③ 家族や友人と一緒に学ぶ
家族や友人と一緒に声に出す練習をすると、心理的なハードルが下がります。
語学学習には仲間がいると挫折しにくいです。コミュニティなどに参加したりして仲間を探すこともおすすめです。
④ フレーズ暗記+使い回し
「これだけは言える!」というフレーズを数個持つと安心感が生まれます。
「廁所在哪裡?」(ㄘㄜˋ ㄙㄨㄛˇ ㄗㄞˋ ㄋㄚˇ ㄌーˇ / Cèsuǒ zài nǎlǐ? / トイレはどこですか?)
「多少錢?」(ㄉㄨㄛ ㄕㄠˇ ㄑーㄢˊ / Duōshǎo qián? / いくらですか?)

単語だけでも通じる!会話のハードルを下げよう

実は、台湾華語を学び始めたばかりでも、単語を並べるだけで十分通じる場面は多いです。
無理に完璧な文章を話そうとする必要はありません。
例えば:
「水」(ㄕㄨㄟˇ / shuǐ / 水)+「三個」(ㄙㄢ ㄍㄜ / sān ge / 3つ)
→ 「水,三個。」(水を3つください)
「牛肉麵」(ㄋㄧㄡˊ ㄖㄡˋ ㄇㄧㄢˋ / niúròu miàn / 牛肉麺)+「一碗」(ㄧˋ ㄨㄢˇ / yì wǎn / 1杯)
→ 「牛肉麵,一碗。」(牛肉麺を1杯ください)
完璧な文章で話せなくても、単語+数詞だけで会話は成立します。
このように「最低限の単語+身振り」で伝わる経験をすると、「話してみても大丈夫なんだ」と実感でき、羞恥心を和らげる効果があります。


まとめ|語学学習は「恥ずかしさ」との戦い

語学学習の一番の壁は知識不足ではなく、「恥ずかしさ」です。
声に出して間違えるのは当たり前
笑われても、それはむしろ成長のサイン
単語だけでも十分伝わる
小さなアウトプットの積み重ねが、自信と実力につながる
僕自身もまだ学習の途中ですが、「声に出す」ことへの抵抗が減ってきたことで、台湾華語の会話がどんどん楽しくなっています。
まずは今日から1フレーズ、声に出してみませんか?


