こんにちは、Tatです。
台湾華語(中国語)を学び始めたばかりの人が最初にぶつかる疑問、それが「ボポモフォってなに?」ではないでしょうか。
僕自身、台湾人の妻を持ち、台湾に毎年訪れる中で「中国語(台湾華語)を学びたい」と思うようになり、本格的に台湾華語の勉強を始めました。その中で避けて通れないのがこの「注音符号(ボポモフォ)」です。
今回は、台湾華語を学ぶ上で知っておくべきボポモフォの基礎知識を、初心者向けにわかりやすく紹介していきます。
ボポモフォとは?台湾華語を学ぶなら知っておきたい注音符号の基礎

ボポモフォとは?名前の由来と役割
「ボポモフォ(Bopomofo)」とは、台湾で使われている発音記号(注音符号)のことです。
漢字の読み方を表すために使われており、台湾の子どもたちは小学校でまずこのボポモフォを学びます。
名前の由来は、最初の4つの音「ㄅ(b)、ㄆ(p)、ㄇ(m)、ㄈ(f)」を音読みしたもの。
日本語でいう「あいうえお」のような存在です。
一方、中国大陸では「ピンイン(拼音)」と呼ばれるローマ字ベースの表記が使われているため、最初は混乱するかもしれません。でも、台湾で暮らしたり学んだりするなら、ボポモフォは欠かせない存在です。
ボポモフォの構成と読み方
ボポモフォは、以下の3つの要素で構成されます:
- 声母(子音): 21字
- 韻母(母音): 16字
- 声調(音の高低):4種類+軽声
たとえば、「爸(お父さん)」という単語は、
- ㄅ(b)
- ㄚ(a)
- 第4声(ˋ)
で構成され、ㄅㄚˋ(bà)となります。
声母(子音)
声母は21字あります。
注音符号 | 拼音 | 例 |
---|---|---|
ㄅ | b | 八 (ㄅㄚ, bā) |
ㄆ | p | 杷 (ㄆㄚˊ, pá) |
ㄇ | m | 馬 (ㄇㄚˇ, mǎ) |
ㄈ | f | 法 (ㄈㄚˇ, fǎ) |
ㄉ | d | 地 (ㄉ一ˋ, dì) |
ㄊ | t | 提 (ㄊ一ˊ, tí) |
ㄋ | n | 你 (ㄋ一ˇ, nǐ) |
ㄌ | l | 利 (ㄌ一ˋ, lì) |
ㄍ | g | 告 (ㄍㄠˋ, gào) |
ㄎ | k | 考 (ㄎㄠˇ, kǎo) |
ㄏ | h | 好 (ㄏㄠˇ, hǎo) |
ㄐ | j | 叫 (ㄐ一ㄠˋ, jiào) |
ㄑ | q | 巧 (ㄑ一ㄠˇ, qiǎo) |
ㄒ | x | 小 (ㄒ一ㄠˇ, xiǎo) |
ㄓ | zh | 主 (ㄓㄨˇ, zhǔ) |
ㄔ | ch | 出 (ㄔㄨ, chū) |
ㄕ | sh | 束 (ㄕㄨˋ, shù) |
ㄖ | r | 入 (ㄖㄨˋ, rù) |
ㄗ | z | 在 (ㄗㄞˋ, zài) |
ㄘ | c | 才 (ㄘㄞˊ, cái) |
ㄙ | s | 塞 (ㄙㄞ, sāi) |
Wikipedia「注音符号」参照
韻母(母音)
韻母は16字あります。
注音符号 | 拼音 | 例 | |
---|---|---|---|
ㄚ | a | 大 (ㄉㄚˋ, dà) | |
ㄛ | o | 多 (ㄉㄨㄛ, duō) | |
ㄜ | e | 得 (ㄉㄜˊ, dé) | |
ㄝ | ê | 爹 (ㄉ一ㄝ, diē) | |
ㄞ | ai | 晒 (ㄕㄞˋ, shài) | |
ㄟ | ei | 誰 (ㄕㄟˊ, shéi) | |
ㄠ | ao | 少 (ㄕㄠˇ, shǎo) | |
ㄡ | ou | 收 (ㄕㄡ, shōu) | |
ㄢ | an | 山 (ㄕㄢ, shān) | |
ㄣ | en | 申 (ㄕㄣ, shēn) | |
ㄤ | ang | 上 (ㄕㄤˋ, shàng) | |
ㄥ | eng | 生 (ㄕㄥ, shēng) | |
ㄦ | er | 而 (ㄦˊ, ér) | |
一 | i/y | 逆 (ㄋ一ˋ, nì) | |
ㄨ | u/w | 努 (ㄋㄨˇ, nǔ) | |
ㄩ | ü/yu | 女 (ㄋㄩˇ, nǚ) |
Wikipedia「注音符号」参照
声調(音の高低)
声調には、4種類と軽声があります。
- ˉ(第一声):高く平らな音
- ˊ(第二声):上がる音
- ˇ(第三声):下がって上がる音
- ˋ(第四声):ストンと落ちる音
- ˙(軽声):軽く短く読む音
同じ音でも声調によって言い方が変わってきます。
ピンインとの違い、なぜ台湾ではボポモフォを使うのか
台湾華語を学び始めた人にとって、「ピンインじゃダメなの?」「なぜ台湾は違う方法を使うの?」と思うかもしれません。
ピンインはローマ字を使った表記法で、中国大陸を中心に使われています。一方、ボポモフォはアルファベットに頼らず、中国語の発音に特化した記号で構成されており、漢字とセットで視覚的に学ぶのに優れています。
台湾では、
- ローマ字に馴染みのない子どもでも学びやすい
- 発音を記号として覚えられるので混乱が少ない
- 教育現場や絵本・辞書でも一般的に使われている
という理由から、伝統的にボポモフォが使われ続けているんです。
ボポモフォを使った学習のメリット

ボポモフォを覚えることで、台湾人の発音により近づくことができます。
特に、以下のようなメリットがあります。
- 台湾の教科書・辞書・児童書が読みやすくなる
- 台湾の子ども向けアプリやテレビ番組が理解しやすくなる
- 声調の感覚が身につきやすい
- 読み方と漢字のセット記憶に向いている
台湾で子供向けの施設へ行ったり本を読んだりすると、大体に漢字にはボポモフォが振られています。
ボポモフォがわかれば初めて見る漢字でも読み方がわかるので、ボポモフォ習得は台湾華語の学習効率を上げてくれます。
まとめ:ボポモフォは台湾華語学習の強い味方
ボポモフォは一見すると謎の記号に見えるかもしれませんが、慣れてくると日本語のひらがなに近い感覚で使えるようになります。
ピンインと違ってアルファベットを使わないため、音と記号をダイレクトに結びつけられるのも大きなメリットです。
台湾で中国語を使いたい人にとって、ボポモフォは強力な学習ツールです。
最初はとっつきにくくても、焦らず毎日触れることで、少しずつ身についていきます。
習得してしまえば、その後の中国語(台湾華語)の学習効率がかなり上がります。
初めて見る漢字でも、ボポモフォがあれば読み方がわかります。
すでに知っている漢字でも、ボポモフォがあれば発音を確認することもできます。
中国語の中でも特に台湾華語を学びたい方は是非とも挑戦してみてください。