台湾華語の発音練習で多くの学習者がつまずくポイント、それがㄓ・ㄔ・ㄕ と ㄗ・ㄘ・ㄙ の違いです。
見た目も似ていて、日本語の「し」「ち」「す」に近い音もあるため、混乱しやすいのは当然。
でも大丈夫。
この記事では、それぞれの音の違いを舌の位置・息の出し方・例語付きで比較しながら、初心者にもわかりやすく解説します。
目次
舌尖音 vs 舌歯音とは?

まずは基本的な情報をまとめます。
分類 | 注音 | 特徴 |
---|---|---|
舌尖音(舌を巻く) | ㄓ(zh)、ㄔ(ch)、ㄕ(sh) | 舌をやや巻き、口の奥に響く音 |
舌歯音(巻かない) | ㄗ(z)、ㄘ(c)、ㄙ(s) | 舌先を上の前歯の裏に近づけて出す |
✅ 体感的に言うと…
- 舌尖音(ㄓㄔㄕ):音が「奥」に響く
- 舌歯音(ㄗㄘㄙ):音が「前」に抜ける
口の中で音の出所が全然違うので、“響き方”に注目すると感覚が掴みやすいです。
発音比較とコツ

次にそれぞれの注音符号の発音を比較してみましょう。
注音 | 発音(ピンイン) | 発音(注音) | 発音のコツ | イメージ例 |
---|---|---|---|---|
ㄓ | zh | ㄓ | 舌を軽く巻いて「ジ」に近い音 | 志(ㄓˋ zhì)=志す |
ㄔ | ch | ㄔ | ㄓの無声音、息を強く出す | 吃(ㄔ chī)=食べる |
ㄕ | sh | ㄕ | 「しゅ」より深く、奥で響く | 師(ㄕ shī)=先生 |
ㄗ | z | ㄗ | 「ず」より歯の近くで出す | 字(ㄗˋ zì)=文字 |
ㄘ | c | ㄘ | 息を強く出して「ツァ」 | 餐(ㄘㄢ cān)=食事 |
ㄙ | s | ㄙ | 日本語の「す」に近いが鋭い音 | 三(ㄙㄢ sān)=3 |
よくある混乱ポイントと対策

❌ よくある間違い
- ㄓとㄗ、ㄔとㄘの違いが曖昧
- 「全部“し”っぽい音に聞こえる」状態になりがち
- 調音位置を意識せずに発音してしまう
✅ 対策
- 鏡を見て舌の位置を意識する
- 録音して「奥から響く音」か「歯の前で鳴ってる音」かを比較
- ペアで発音して違いを強調する(例:ㄓ vs ㄗ)
例語リスト(ボポモフォ+ピンイン付き)

次に例となる漢字をそれぞれの注音符号ごとにみてみましょう。
実際の漢字がわかると発音のイメージがつきやすくなるかと思います。
注音 | 例漢字 | 発音(ピンイン) | 発音(注音) | 意味 |
---|---|---|---|---|
ㄓ | 志 | zhì | ㄓˋ | 志、目標 |
ㄔ | 吃 | chī | ㄔ | 食べる |
ㄕ | 師 | shī | ㄕ | 先生 |
ㄗ | 字 | zì | ㄗˋ | 文字 |
ㄘ | 餐 | cān | ㄘㄢ | 食事 |
ㄙ | 三 | sān | ㄙㄢ | 数字の「3」 |
覚え方のヒント
- 舌を巻く音(ㄓㄔㄕ)は、「奥で鳴るドラム音」のようにズンと響く
- 舌を巻かない音(ㄗㄘㄙ)は、「歯の先で鳴る笛の音」のように軽く抜ける
- 「し」っぽい音で迷ったら、奥か前か、息が強いか弱いかを判断材料に
練習方法のおすすめ
- 音声付き教材やアプリで聞き比べて練習(例:「注音冒険王」)
- 録音して自分の発音とネイティブを比較
- ペアで交互に発音(例:ㄓ-ㄗ-ㄓ-ㄗ)で違いを定着させる
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まとめ

ㄓ・ㄔ・ㄕ と ㄗ・ㄘ・ㄙ の違いは、台湾華語の発音で最も混乱しやすいポイントのひとつです。
でも、焦らなくて大丈夫。舌の位置・音の響き・息の強さに意識を向けながら、少しずつ感覚で覚えていくことが大切です。
✅「奥から出す音」か「前で鳴る音」か
✅ 息の強さ、口の形の違い
✅ 毎日1音ずつ丁寧に発音してみる
この3点を意識して、発音の精度を高めていきましょう!